インプラントとは歯を失った部位にチタン製のスクリュー型の人工歯根を骨内に埋め込む方法です。自分の根が残っている場合は、インプラントではなくかぶせもの(差し歯)になります。顎の骨に固定するので、違和感なくかむことが出来ます。
インプラントは1952年にスウェーデンで開発され、現在は改良を重ね、近年はあまり大きなモデルの変更は見られなくなってきたくらい、完成された治療方法と言えます。1本だけ欠損した症例から、すべて歯を失った無歯顎症例まで、インプラントブリッジという固定式のものから、スナップボタンのようなアタッチメントを用いて義歯に利用する取り外し式のものまで、治療の選択肢が多数あります。また、以前では骨がなくて出来なかった症例などに対しても骨増生が行われるようになり、より適応症例が広がりつつある治療法です。
インプラントの利点と有効性
- インプラントが最大の利点は、咬合力(噛み合わせた時にかかる力)をしっかり支える事ができる事です。天然歯の咬合力の80%を回復出来ると言われています。
- 見た目が天然歯に近く、審美的に優れている。
- 良く咬めることは全身的の健康にも良い影響を与える
- 咬める歯をつくることによって、他の歯の負荷を減らし、結果的に残存歯の保存に繋がります。
- 隣の歯を削る必要がない。ブリッジや義歯は隣の歯に多少なりとも負担をかけます。
インプラントのリスクと欠点
- 顎の骨に埋め込む手術が必要。心理的に怖い。ただ、骨が平均的にあり、特別に骨が瘦せていなければ、1本の手術で30~40分程度です。
- 全身の疾患によってはインプラントが難しい場合があります。例えば骨粗しょう症治療薬のビスフォスフォネート製剤を注射、内服されている方や、重度の糖尿病の方などです。
- インプラントを維持するためには、十分な口腔衛生の管理と定期的な検診が必要になります。
- 骨に埋め込まれているインプラント本体(フィクスチャー)以外の上部構造のかぶせものは消耗品です。硬い骨に埋め込まれていて動かないインプラントですから、上部構造のかぶせものには大きなストレスが毎日働いています。
- インプラント治療のやり直しは簡単ではありません。もし、インプラント本体が破損したり、インプラント周囲の組織に炎症を起こしたりすると、インプラントを外科的に撤去が必要な場合があります。その処置により骨の吸収を起こすこともあるので、骨の薄い部位にインプラントを使うことを慎重に計画するべきです。
当院でのインプラント治療
当院では数多くのインプラントメーカーがある中から、沢山の研究がなされている信頼性の高いスイス製のストローマンインプラント、もしくはスウェーデン製のアストラテックインプラントを使用しております。世界3大メーカーの2社であり、インプラントの先進国で多数使用されてきています。
また、コンピューター上でCTを解析し埋め込む診査診断、埋入計画のシュミレーションを行い、それをもとに正確に埋め込むよう3Dプリンターで作製されたサージカルガイドを用いて、安心安全な手術を行います。
全ての症例を院長が担当し、安心安全で責任のあるインプラント治療を提供しております。
1本の歯が無い場合の例
歯根破折により抜歯しました。治りが良いように人工骨とコラーゲンを抜歯した穴に詰めます。
左下の奥歯を1本抜歯、2本のインプラントで3本分の延長ブリッジを作製した
すべて歯がインプラントの場合、下顎6本のインプラントで12本の上部構造のセラミックを支えます。
それをもとに正確に埋め込むよう3Dプリンターで作製されたサージカルガイド