侮れない小帯の悪影響について

こんにちは。

院長の佐藤博宣です。

今回は小帯といって、お口の中のヒダについての話です。

お口の中の小帯には、上唇小帯、頬小帯、舌小帯があります。

その役割としては、表情筋(顔の筋肉)を動かすこと、嚥下(飲み込み)や発音に関与、逆に組織の可動域を制限すること、などと言われています。

しかし、その小帯異常といって小帯の悪影響が疑われる場合は、歯科検診でも指摘されることもあります。

実は、お口の中の小帯は、その役割がはっきりとしていないのもあり、歯科の中ではむしろ悪影響の方が多いとされています。

上唇小帯~小児の頃に自然に切れることもありますが、大人になっても大きな上唇小帯が残っていると、虫歯になりやすかったり、上顎前歯の正中の歯肉退縮、歯周病に悪影響を及ぼします。

正中の歯肉退縮が気になり、このように切除することもあります。

舌小帯~発音障害や口呼吸に関与していることもあります。

切除前

切除後

舌小帯の切除により舌の可動範囲が大きくなり、奥歯の外側(頬側)まで舌が動くようになり、食べかすの残り具合がかなり減少しました。

舌が正常に動くことはとても大切です。

頬小帯~あっていい事があまり無く、食事中に食べ物が頬小帯付近に溜まりやすい。食事や食事以外の口を動かすたびに歯肉が頬に引っ張られ、歯肉退縮、歯周病や虫歯、インプラント周囲炎にも悪影響です。

歯磨きをしても痛みが出やすく、傷になりやすいです。

インプラント周囲に太い頬小帯がからみついています。

頬小帯を切除し、再発しないように縫合、絆創膏のテルダーミスを貼ります。

歯磨きしやすく、食べ物の流れも良い環境になりました。

上唇小帯や頬小帯の切除は痛みもそれ程伴わないため、比較的よく行います。

この方も頬小帯の影響もあり、歯周病が悪化したために切除しました。

埋まっている親知らずを抜歯するよりも、よっぽど楽です。

検診で指摘された方、鏡で見て気になる方は一度ご相談ください。

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