こんにちは。
院長の佐藤博宣です。
この患者さんはちょうど10年前に上顎の真ん中の前歯(中切歯)2本を治療された方です。
歯並びとそれに伴って歯周病も進行してきたため、きちんと治療しました。
初診時は歯肉も腫れ、歯の形も悪く、色もいかにもかぶせものといった状態でした。
初診時
こちらが完成時です。
隣の歯と調和した、透明感のある自然なかぶせものになっています。
完成時、色も形もちょうど良い感じです。
模型上ではかなり茶色い感じに見えますが、口腔内に入ると意外と色は合います。
10年問題なく経過していましたが、ガラスにぶつけてしまいセラミックが欠けてしまいました。
ご本人のお話しでは、そこまで大きくぶつけたということではないようでした。
左側の先端が欠けていますが、右側も顕微鏡で見るとひびが入っています。
根の方まで割れたり、虫歯の問題も無い為、補修することにしました。
表面に慎重にフッ酸処理を行い、強力なボンドを処理し、何層にもレジン(プラスチック樹脂)をたしていきます。
補修後
セラミックは透明感があるため、補修したレジンと色調はやや異なってしまいます。
セラミックは接着剤も着きづらいので、応急的な補修になります。
また、レジンは吸水するため経年的に変色します。
セラミックは吸水しないため、何年経過しても変色はありません。
大きな破損の場合は、再製作しなければいけません。
セラミックなどかぶせものでなくても、天然の歯も欠けることもしばしばあります。
不慮の事故によりセラミックが割れたり、ひびが入ることはどうしても起きることはありますが、前歯の治療された方は特にお気を付けください。