こんにちは。
院長の佐藤博宣です。
今回は、抜歯後に歯を補うことなく時間が経過してしまった場合に生じる様々な問題についてです。
この60代の患者さんは、右側の上下を3本抜歯した後に義歯を作製しましたが、上手く義歯が使えず何年も経過してしまいました。
左側で咬めるので不自由はなかったのですが、右下がいよいよぐらぐらになってきたため来院されました。
右下の1本だけ残った歯が、歯肉も下がって根が露出し、上方に伸びあがって移動してしまっているのがわかります。
歯はかみ合わせの相手を探して、下の歯は上方に、上の歯は下方にどんどん伸びてしまいます。
抜歯を行うと、根の先端まで茶色い歯石がついています。
ここまで歯周病が進行すると、治療を行っても治りません。
また、反対の左側は咬めるので左側ばかり使用していたため、左下のブリッジも歯肉が腫れ、歯周病がかなり進行してしまいました。
あまりに進行した歯周病は抜歯するしか治療法はありません。
この方は、左右とも下の奥歯を抜歯し、義歯を作製することになりました。
60代、70代に左右とも咬めるような歯の治療をきちんと行っておくと、将来も安心です。
歯の治療は麻酔をしたり、水がたまって苦しかったりと、体力的にも意外と大変です。
風邪にように自然に治りませんので、思い立った時にきちんと早め早めに治すのが正しい選択です。