こんにちは。
院長の佐藤博宣です。
今年は新しいスタッフも加わり、さらに患者さんに安心して通っていただけるような歯科医院を目指し、スタッフ一同頑張って参ります。
歯肉の癌の話です。
舌や歯肉にも癌(悪性腫瘍)が生じることが稀にあります。
一般の歯科医師が日々診療していても、一生のうち遭遇することが何回かといったレベルです。
口内炎などとの判別は患者さん自身では困難と言えますが、一般的には特徴がいくつかあります。
①歯肉や舌に黒いくて硬いしこり
②歯肉や口腔粘膜に白いレースのような出来物
③それが、急激に大きくなってきた
④なかなか治らない
などです。
まず、ご自身で気づき心配があれば、歯科クリニックでまず相談していただき、疑いが強いようであれば専門の病院に紹介することになります。
最近の事ですが、歯肉の癌がみつかった患者さんのケースです。
60代男性です。
上顎の歯肉の白い出来物がなかなか治りませんでした。
当時、口腔外科に紹介し、組織の検査では異型性という癌細胞は認めず、癌には移行しない方向の白板症という病気との診断でした。
その後3ヶ月ごとの経過観察を行っていました。
その4年後が経ち、別の上顎の奥歯に大きな口内炎がなかなか治らないとのことでした。
深くて大きな口内炎といった感じでした。
再度、口腔外科に紹介し、組織検査を行っていただくと、
歯肉癌cT1NOMO stageⅠという診断でした。
大きさ2cm以下、深さ5mm以下、頸部リンパ節転移なしという、初期の状態でした。
全身麻酔にて、周囲の歯3本の抜歯と癌の切除、人工真皮による被覆の処置が行われました。
些細な事でも大ごとになる前に早期発見、早期対応と処置の大切さが身にしみました。
何か気になることがありましたら、スタッフにご相談くださいね。